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授乳時のママの姿勢を正しくキープし、快適に授乳できることにとことんこだわった授乳クッション「ふかふか授乳クッション」が2017年11月にリッチェルから発売されました。
私は、ふたりの子どもの授乳期に、使いやすい授乳クッションを探し求めて何度も買い替えをした経験があります。
そんな私の心に刺さったのは、「ふかふか授乳クッション」のパッケージに書かれた『快適な授乳は「正しい授乳姿勢」から。』というコピーでした。
前回の記事、「へたらない、高さ調節ができる!エアタイプの授乳クッションがリッチェルから誕生!」で、リッチェルから2017年11月に発売した「ふかふか授乳クッション」の良いところをレポートしましたが、今回は、この「ふかふか授乳クッション」の開発秘話を杉谷さん、尾方さんに聞きました。私、べびちぇる編集部 リカの授乳期のエピソードも織り交ぜてお伝えします。
リッチェルの「ふかふか」シリーズに「授乳クッション」が仲間入り
授乳クッションは、便利だけどママの悩みが多いアイテム
――リッチェルのベビーアイテムには、お風呂、マグ、食器…といろんなジャンルの商品がありますが、「授乳クッション」は初登場したアイテムですね。企画開発のきっかけを教えてください。

杉谷さん:仕事柄、ベビー用品が置いてあるお店を見かけると、休日でも気になって足を踏み入れるんですよ。
その日も、いつものように、自社の商品や他社さんの商品を眺めていたところ、ふと、授乳クッションのコーナーで足がとまりました。リッチェルでは、扱っていなかったジャンルの商品です。
「授乳クッションって、大きくてかさばるなあ」
手にとってみると、重たさも気になりました。
これを毎日何回も膝の上に乗せて、その上に赤ちゃんも乗せると、ママの身体には結構な負担がかかるんじゃないかなあと。
クッションの中身は綿のものがかったのですが、使っているうちにへたってしまうだろうし…。
クッションがへたって形が変わってしまうと、授乳時の姿勢にも影響がでてしまいます。
妻が授乳時に、肩こりや腱鞘炎でとてもつらそうにしていたことも、頭をよぎりました。
――買ったときはボリュームがあるのに、使っているうちに、薄くなっていくんですよね。
杉谷さん:お手入れの面でも気になることがたくさんありました。
カバーは洗えるけれど、乾きにくい生地が使われているものが多かったんです。
そうすると、使いたいときにすぐに使えないし、においが残ってしまってカビ臭も発生しやすくなります。
クッション本体は、洗えないものが多く、また、洗えるタイプのものであっても、型崩れしやすかったり、カバーと同じように、乾きにくいことによる問題があったり。
――授乳クッションは赤ちゃんが1日に何度も触れるものなので、いつもで清潔にしておきたいです。それなのにお手入れがしにくいとなると、ママ泣かせですよね。
杉谷さん:「重い」「かさばる」「洗えない」「へたる=形をキープできない」。
授乳クッションにまつわるこの悩みを解決できる方法は…と考えたところ、思い浮かんだのが、リッチェルの「ふかふかベビーバス」と「ふかふかベビーチェア」でした。

(左)ふかふかベビーバス (右)ふかふかベビーチェア
「ふかふかベビーバス」と「ふかふかベビーチェア」のポイントは、
- エアタイプだから軽い
- 空気を抜けばたたんで小さくなるので、かさばらない
- 洗いやすい(拭くだけできれいになる)
こと。
このポイントを当てはめると、授乳クッションの悩みである「重い」「かさばる」「洗いづらい」が解消されます。
それに、クッションの中身に綿を使わないので、へたる心配もありません。
また、クッションに綿を使わなくても、使い心地の良いものをつくれる自信もありました。
ビニールを使って複雑な形状をつくること、強度とふかふかした気持ちの良い感触を両立させることは、「ふかふかベビーバス」、「ふかふかベビーチェア」の開発で社内に技術が蓄積されていますから。
――ベビーバス、ベビーチェアとは全くことなる商品ジャンルの授乳クッションに、アイディアや技術を応用!お話を聞いているだけでワクワクしてきます。

授乳クッションは80%のママが持っている。でも、不満がいっぱい
杉谷さん:早速、授乳クッションに関するアンケート調査を行ったところ、約80%のママが授乳クッションを使っていました。
アンケートでは、「成長でサイズが合わなくなった」「使っているうちにへたる」「洗えない」「重い」「カビ臭くなる」「かさばる」とたくさんの不満点があげられ、買い替えた経験がある方が24%もいらっしゃいました。
――授乳をちょっとでも楽にしたくて授乳クッションを使うものの、不満点もいっぱい。ママたちの気持ち、すごくよく分かります。
私、実は、授乳クッションを何度も買い替えたことがあり、ふたりの子どもへの授乳のために、気づけば合計5個も買っていました…。
杉谷さん:5個も!それはまた、たくさん買いましたね。
でも、それくらい、授乳クッションは悩める点がたくさんある商品、満足度が高いものをつくるのが難しい商品であることは間違いありません。
もう、これは絶対に解決するぞ!と、常に使いやすい状態がキープできるエアタイプの授乳クッションの開発をスタートしました。
正しい授乳姿勢、快適な授乳姿勢をキープできる形状へのこだわり
授乳姿勢が悪いことで、身体のあちらこちらにトラブル発生
――べびちぇる編集部として、「ふかふか授乳クッション」の開発秘話の特集をしたいと思ったきっかけは、商品パッケージに書かれている、『快適な授乳は「正しい授乳姿勢」から。』というコピーでした。
これは、私の個人的な体験ですけれど、授乳時の姿勢が悪かったことで、腱鞘炎や胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群を長く患ってしまいまして…。
杉谷さん:あ、それで、授乳クッションを何度も買い替えしていたんですね。
――そうなんです。お医者様や助産師さんには、もっと赤ちゃんを高い位置で抱っこして授乳をしないと、猫背になってしまっているよ、授乳姿勢を改善しないと身体の痛みは治らないよ、と言われまして。
それで、高さを出すために授乳クッションをふたつ重ねて使ってみたり、子どもの頭の下にタオルを折りたたんでいれてみたり、自分の体格に合うものに買い替えてみたり、と試行錯誤の連続でした。
そういった自分の「授乳時期はしんどかったなあ」という経験があったので、「ふかふか授乳クッション」の商品パッケージに「正しい姿勢」について書かれているのを見て、すごく嬉しかったんです。
これで、私のような思いをしているママが助かるな、また、初めて買う授乳クッションが「ふかふか授乳クッション」だったら、授乳のときの姿勢が原因で、肩こりや腱鞘炎になってしまうママも減るんじゃないかなあと。
すみません、身の上話が長くなってしまいました…。
杉谷さん:いえいえ。まさに、そんなふうに困っているママたちを助けたいという思いから生まれた商品なので!
赤ちゃんとママにやさしいスロープ形状
杉谷さん:「ふかふか授乳クッション」は、赤ちゃんの身体が自然にママの身体を向くように、手前が低く、赤ちゃんを乗せる部分が高くなる独自のスロープ形状になっています。

――この形、理想的です!一般的な授乳クッションは、こういったスロープがないので、結局、ママが自分の腕の力で赤ちゃんを手間に引き寄せる必要がありますよね。

杉谷さん:「ふかふか授乳クッション」のスロープ形状なら、赤ちゃんの体重をクッション全体にあずけて、ママの腕は無理なく赤ちゃんに添えることができますよ。
――この形状をつくるのは、大変だったのではないかと思います。設計を担当された尾方さん、いかがでしたか?

尾方さん:実は、最初につくった試作品はスロープ形状ではなく、一般的な授乳クッションと同じように、クッションの厚みは、どの部分もほぼ同じものでした。
その試作品をママ社員に使ってもらい、授乳の様子を見ると、自分の手で赤ちゃんを引き寄せ、手でしっかり赤ちゃんを支えていて、ちょっと大変そうな様子で…。
それで、赤ちゃんの身体が自然にママの方を向くように、スロープ形状にすることを思いついたのですが、なかなかイメージどおりのかたちにならず、試作品を何度も何度も作り直しました。
やっと、試作品が理想のスロープ形状になり、それをママ社員に使ってもらったとき、
「赤ちゃんの身体を安心してクッションに預けることができるようになった」
「手はそっと添えておくだけで大丈夫になった」
という、嬉しいフィードバックをもらえました。
スロープ形状にしたことが、赤ちゃんに安全に授乳ができ、ママの身体の負担を減らすことにつながったので、本当に嬉しかったです。
空気の量で高さを調節

――空気の量で高さが調節できるのもいいですね!
尾方さん:赤ちゃんの誕生時の大きさも、成長スピードも、赤ちゃんによってことなりますし、ママの体格も人それぞれ。
ママがクッションに合わせて姿勢を変えるのではなく、クッションをママが使いやすいように調節できるのが、エアタイプの大きなメリットです。
エアタイプだからへたらない
尾方さん:エアタイプだから、長く使っていてもへたらない、形が変わらないのも特徴です。
使い続けて空気量の減りが気になった場合も、ふくらませれば、あっという間に弾力性がよみがえります。
――へたって、薄く、低くなったクッションを使うと、赤ちゃんの位置が低くなってしまうので、ママの姿勢が悪くなってしまいますもんね。
型崩れすることなく、卒乳まで使い続けることができるのは嬉しいポイントです。
おやすみクッション、おすわりクッション、リラックスクッションとしても大活躍
尾方さん:前面のベルトをセットすると、おやすみクッション、おすわりクッションに早変わりします。

――前面ベルト、いいですね!
ベルトがないものは、赤ちゃんを寝かせたり、座らせたりすると、いつの間にか、クッションが左右にひろがっていくので、ちょっと危ないなあと思っていました。
尾方さん:おすわりクッションとして使うときは、おしりがすっぽり収まって、Cカーブの姿勢で座れますよ!

尾方さん:ママのリラックスクッションとしてもおすすめです。

本体は水拭き、カバーは丸洗い可能!お手入れが簡単だからいつでも清潔
――お手入れが簡単なところも魅力的です。一般的な授乳クッションの場合、カバーをまめに洗っていても、クッション本体に汚れやにおいが染み込んでしまうので…。
尾方さん:本体は汚れやにおいが蓄積しない素材ですし、サッと水拭きするだけできれいになります。
カバーは、丸洗いができて、乾きやすい生地を使っています。
――授乳時は、ママも赤ちゃんもたくさん汗をかきますし、赤ちゃんが急におっぱいを吐き戻したりもします。
授乳クッションをいつも清潔な状態にしておくのはとっても大変なので、汚れにくく、お手入れが簡単だと、ママは大助かりですね。
カバーは2種類の生地で使い分け

尾方さん:カバーの生地は、肌に触れたときの感触と乾きやすさにこだわりました。
2種類の生地で使い分けできます。
――片面はメッシュ生地なんですね。あ、このメッシュ生地、さらさらと気持ちの良い肌触りです。汗かきな赤ちゃんにピッタリですね。
尾方さん:もう片方の生地も、やさしい肌触りですよ。
たたんで収納・持ち運びができる

尾方さん:空気を抜いてたたむと、こんなに小さくなります。収納や入退院時・里帰り時の持ち運びに便利です。
――いつもと同じ授乳クッションを使うことで、自宅以外でもリラックスして授乳ができますね。
ふかふか授乳クッションで、快適な授乳タイムを過ごしてほしい
赤ちゃんが生まれると、何がなんだか分からないうちにすぐにスタートする授乳。
離乳食が始まるまでは、この授乳が赤ちゃんの生命線、と思うと、ママが感じる心のプレッシャーは大きく、ママも赤ちゃんも授乳に慣れるまでは、失敗の連続です。
そんな、がんばるママたちの身体の負担が減り、笑顔で授乳ができますように。
正しい姿勢で授乳をして、健康な身体で、楽しく赤ちゃんと毎日を過ごせますように。
「ふかふか授乳クッション」が、そのお役に立てれば、とても嬉しく思います。ぜひ、使ってみてください。