こんにちは、べびちぇる編集部のエリです。
今回ご紹介するのは、リッチェルのA型ベビーカー「コアラクーン」。
安全性をとことん考慮したつくりで人気の、生後1カ月から使えるベビーカーです。
「コアラクーン」は、
・業界初の両対面式手もとブレーキ
・19cmのシングルメガタイヤ
・夜間の視認性を上げる反射素材
などの安全性能で、新生児からの安心なお出かけをしっかりサポート。
「コアラクーン」については以前、べびちぇるの記事『安全性に徹底的にこだわったベビーカー、コアラクーンで赤ちゃんと快適なお出かけを!』でも取り上げましたが、今回はなんと、開発に関わった水野さんにお話を聞くことができました。
特許や急斜面でのブレーキテストのお話など、開発時のディープなお話を盛りだくさんお届けします!
業界初の両対面式手もとブレーキ。開発のきっかけは?
実際にベビーカーを押して気づいた、手もとブレーキの必要性
–早速ですが、コアラクーンの両対面式手もとブレーキは業界初だそうですが、開発に挑戦するきっかけは何だったのでしょうか。
水野さん:A型ベビーカーのコアラクーンを開発するにあたって、企画担当者から、より安全なベビーカーを作ろう、というコンセプトがあがってきました。
–A型ベビーカーは、まだ首や腰がすわっていない生後1カ月から使えるタイプなので、より安全性を重視する必要がありますよね。
水野さん:コンセプトである「安全なベビーカー」にはどんな機能が必要なのかを考えていく中で、腕力に頼らず、ハンドルを握るだけで感覚的に止まれる手もとブレーキは必要だよね、使う機会が多いよね。という話が出てきました。
たとえば街中。
大人が普通に歩いている分には気がつかないのですが、実際にベビーカーを押して歩いてみると、ゆるやかな坂があったり、歩道のちょっとした傾斜があったり、ビル風があったりして、ベビーカーが思わぬ方向にどんどん動いていってしまうことがあります。
こんなとき、ベビーカーに手もとブレーキがあれば、危険を感じる前にハンドルを握るだけでスッと止まれます。
–ちょっと手もとブレーキを使ってみてもいいですか?
…下りのスロープでも、自転車のブレーキのようにハンドルを握るだけでスッと止まれました。
下り坂だと、ベビーカーの減速には腕力が要るものですが、手もとブレーキがあるだけでこんなにラクだとは!
水野さん:電車に乗った時にも便利ですよ。手もとブレーキを効かせておけば、ベビーカーが勝手に動いていかないので安心です。
安心機能の手もとブレーキ。対面・背面両対応は「コアラクーン」が初!
–便利な手もとブレーキですが、見回してみると、手元ブレーキを採用しているベビーカーは少数派ですよね。
水野さん:そうなんです。さらに対面・背面両方で使える手もとブレーキがあるものは見当たりませんでした。
だったら、リッチェルで作ろう、と。
—新生児の時の対面式から、ある程度赤ちゃんが大きくなった時の背面式まで、ずっと手もとブレーキが使えるから、安心ですね。
手もとブレーキを両対面式ベビーカーに搭載。開発の苦労とは?
–両対面式の手もとブレーキは特許出願済ということですが、開発に苦労はありましたか?
水野さん:ベビーカーを対面にした場合と背面にした場合では、手もとブレーキから車輪までの距離が変わるため、ブレーキシステムのワイヤーの長さを変える必要があります。
このワイヤーの長さを変えるシステムを、ベビーカーのシートの内側に搭載しています。外からは見えない部分ですが、苦労しました。
–ここが特許なのですね。シートの内側とは、言われなければ本当に気づかない部分ですね。
ブレーキ自体も、握る強さはどのくらいか、その力でどのくらいの制動力があれば良いか、すべて細かく設計して、構造に落としこんでいます。
安全のために、とことんブレーキのテスト!
–ブレーキのテストはどのようにされたのですか?
水野さん:会社の中の実験施設や、身近な傾斜だけではなく、いろいろな場所に出かけてテストしました。
ベビーカーを車に積んで川沿いの急斜面まで行き、ベビーカーに赤ちゃんの代わりに15kgの重りを入れて、何度も、何度も急斜面を下るテストもしました。
–川沿いの急斜面でも!まさに、どんな場面でも安全に使えるベビーカーですね!
水野さん:私の実験場となっていた川沿い付近に住んでいる方には、「あの人、いつも何をしているんだろう?」と思われていただろうな・・(苦笑)。
コアラクーンのもうひとつの大きな特徴、シングルメガタイヤ
限界まで大きい、直径19cmのシングルメガタイヤを採用!
–ところで、コアラクーンは直径19cmのシングルメガタイヤを採用していますが、ここまで大径のタイヤを採用したのはどうしてでしょうか。
水野さん:コアラクーンのママさんモニターに、これまで使っていたベビーカーの不満点を聞いたところ、ベビーカーのタイヤは段差を乗り越えるのに苦労する、という声がありました。
–タイヤが小さいと、わずかな段差でガクンとつまずいてしまうんですよね。
水野さん:ベビーカーのタイヤは大きいほど、段差がラクに乗り越えられるようになるので、お母さんのストレスを減らせます。
また、段差で急に止まらずにすむので、赤ちゃんへの衝撃が少なくなります。
–日本ではベビーカーに軽さが求められることが多いので、ベビーカーの足1本に小さなタイヤが2つずつついている、ダブルタイヤが主流となっていましたよね。
水野さん:コアラクーンでは、赤ちゃんへの衝撃を減らして安全性を高めるため、ダブルタイヤより少し重くはなりますが、限界まで大きい直径19cmのシングルメガタイヤを採用しています。
–確かにこれだけタイヤが大きいと、小さな段差の度にベビーカーを止めてヨイショ、とやらなくても段差を乗り越えられますし、溝にもはまりにくいですね。
何より衝撃を減らして赤ちゃんに優しいのが安心です。
シングルメガタイヤ採用で、ここでも開発の苦労が?!
水野さん:タイヤが大きいおかげで開発に苦労した点も多くあります。
コアラクーンのタイヤは直径19cmのシングルメガタイヤなのですが、シングルタイヤは一般的なベビーカーのダブルタイヤに比べて設計が難しい部分があります。
–さきほどコアラクーンを実際に操作してみた感想ですが、シングルタイヤはダブルタイヤに比べて、方向転換がスムーズで小回りがきき、デコボコ道でも振動が少ないですね。
水野さん:車輪やサスペンションの衝撃吸収性能を良くしたり、どんなタフな状況でも車輪を回すために素材にも工夫をこらしました。
車輪は、うまく回らないのも問題ですが、逆に車輪が左右に回りすぎると、ベビーカーを押した時に揺れたり、路面の振動などでタイヤがぐるぐる回ってしまいます。
–車輪が回らなくても回りすぎてもダメ、バランスが大事なんですね。
水野さん:車輪の構造と素材、載せる赤ちゃんの重さ、ベビーカーを押す速さ、いろいろな要素でベビーカーが揺れる速度が変わってきたりして。本当に難しかったです。
何度も実験を繰り返したおかげで、車輪の回転性も、衝撃吸収率も、かなりいい値がでるように開発できたと思っています。
最終的には、ベビーカーが揺れる現象がほとんど起きない車体をつくることができました。
–まさに乗り物!本当に見えないところにも、たくさんの工夫が凝らされているんですね!
反射シールドやその他の機能も充実!
デザインを邪魔しないのに、必要な時にはしっかり目立つ反射シールド
–反射シールドも、デザインを邪魔しないけれど、必要な時にはしっかり目立つ部分についていますね。
水野さん:反射シールドは、安全機能として必要なのに、なかなかベビーカーを選ぶ時には気がつかない部分ですよね。
–インターネットでママ達のブログを読むと、ベビーカーを買った後から反射材が必要だと分かって買いに行った、後付けだと悪目立ちしてしまう、など、反射材については、困っている方が多い部分ですよね。最初からついていれば悩みが減りますね。
安全性だけじゃない、ハイシートや折りたたみ自立など、機能がいっぱい!
水野さん:コアラクーンには、他にも、
- 片手でワンタッチ開閉可能
- 折りたたみ自立可能
- 52cmのハイシート
- 保冷剤ポケット付きのヘッドレスト
- 大容量15Lバスケット
などなど、皆さんが必要だと思う機能を全部入れています。
–安全性でベビーカーを選んだら、他の機能も充実しているなんて、嬉しさ倍増ですね!
まとめ
新生児からベビーカー卒業までずっと安全なベビーカー、コアラクーン
–もともとリッチェルのベビー用品は、食器にしても、ベビーカーにしても、安全性にすごく気を配っています。
このように品質の基準が高い中でも、とことん安全に対しての深掘りをしていったのですね。
水野さん:A型ベビーカーというのは、本当に赤ちゃんが小さい頃から使うものなので、まず触ってもらった時にいいな、しっかりしているな、と思ってもらえるように作りました。
コアラクーンは、ブレーキやタイヤの安全性など、見えないところに特に力を入れて作ったベビーカーですので、触ってみれば、見た目だけでは分からない良さが伝わると思います。
–ベビーカーは、買ってからちょっと違ったな、と思ってもなかなか買い換えが難しいものです。
どういう安全性能が必要か、ということも、実際に赤ちゃんを連れて出かけてみないとピンとこないところがありますよね。
水野さん:幅が狭い道や、歩道のない道、デコボコ道、坂道、夕暮れの道。いつでもどこでもベビーカーを日常的に安心して使ってもらいたいので、ぜひ安全性に徹底的にこだわったコアラクーンを使ってみてほしいと思います。
–水野さん、本日は、ありがとうございました!