こんにちは、べびちぇる編集部のエリです。
2022年10月、富山県で、松本歯科大学 蓜島弘之先生を講師に招いた、日本小児歯科学会 中部地方大会 ランチョンセミナー「口腔機能の発達を考える。」 が開催されました。
内容は、赤ちゃんのお口の発達と離乳食の段階の関係、赤ちゃんの感覚機能・口腔機能を高める方法など、なるほど!と思う話題がたくさん。
また、赤ちゃんの食事の観察から得られる情報は数多く、食事シーンを観察することで、舌を出したまま食べる、丸呑みするなどの悪い癖を早期に見つけてあげることもできるとか。
これは、べびちぇるの読者の皆さまにもお伝えしなくては…
ということで、今回は歯科大学の先生から教わったことを中心に、主に赤ちゃんのお口の発達と、お口を鍛える離乳食の進め方についてお伝えしていきます!
※唇を鍛えるメリットについては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ、こちらもあわせてお読みください。
コップ飲みマスターに最適な「トライ コップレッスンマグ」は自然に唇を鍛え、お口ポカーン防止にも!
赤ちゃんのお口の中の発達のしかた
ほ乳期の赤ちゃんのお口は、上あご中央に「哺乳窩(ほにゅうか)」といわれる丸いくぼみがあることが特徴で、この哺乳窩は、赤ちゃんが3歳までの間にだんだんとなくなっていくそうです。
赤ちゃんのお口の中は、数年かけて大人に近づいていくんですね。
また、赤ちゃんの「飲み込み方」には、ほ乳期から離乳食後期まで、時期に応じた特徴があるとか。
段階ごとの特徴を以下にまとめましたので、育児の参考にしてみてくださいね!
ほ乳期(0~5カ月頃)
ほ乳期とは、離乳食開始前の時期のこと。主な食事は母乳やミルクです。
この頃の赤ちゃんには、原始反射(赤ちゃんに生まれつき備わっている、刺激に無意識に反応する反射行動のこと) や吸せつ運動(原始反射の一つで、口に入ってきたものを強く吸う反射)がみられ、
・指しゃぶり
・玩具なめ
・色々な刺激を受け筋力を発達させる
などの乳首以外の感覚刺激が大事になってくるそう。
歯がためなどのおもちゃを与えてみるのも良いですね。
■3カ月頃~
■5カ月頃~
この頃は、母乳やミルクは、その哺乳窩と上唇小帯(上唇の内側の中央にある、唇と歯ぐきの間を結ぶ膜のように見えるところ)を上手に使って飲みます。唇は乳首を咥えるだけでも鍛えられる時期だそうですよ。
ほ乳期のポイント
- 離乳食開始前の時期
- 原始反射や吸せつ運動がみられる
- 乳首以外の感覚刺激が大事
- 乳首を咥えるだけでも唇が鍛えられる
離乳食初期(5~6カ月頃)
離乳食初期とは、赤ちゃんが食事の練習を始める時期のこと。
離乳食は、トロトロにつぶしたおかゆ(10倍がゆ)などから少しずつ始めます。
この頃は、飲み込むときに下唇の内転(下唇を巻き込んで飲む) が見られ、また、食べ物を唇でとらえて、押しつぶして飲み込めることが分かります。
赤ちゃんに離乳食を与えるときは、ついスプーンをお口の中に押し込みがちですが、唇を鍛えるためには、食べ物を赤ちゃん自身の唇や舌を使って口に含ませるのがポイントだそう。この時期からしっかりとお口まわりの筋肉を鍛えてあげましょう 。
離乳食初期のポイント
- 赤ちゃんが食事の練習を始める時期
- 飲み込むときに下唇の内転がみられる
- 離乳食を唇でとらえ、押しつぶして飲み込める
- 唇を鍛えるために、離乳食は口に押し込まない
離乳食中期(7~8カ月頃)
離乳食中期になると、だんだんと赤ちゃんが食事に慣れてきて、舌やあごで食べ物をつぶせるようになってきます。
離乳食の固さは、大人が指でつまんで押しつぶす時に爪の色が変わらない程度とのこと。
この頃のお口の動きは、口角左右対称。舌は前後に加えて上下にも動くようになります。
噛んで少しずつ離乳食を食べる練習ができる、離乳食フィーダーを使ってみるのもいいですね。
■5カ月頃~
■6カ月頃~
吸う練習ができるコップマグで、ストロー飲みの練習も始めましょう。
■6カ月頃~
離乳食中期のポイント
- 舌やあごで食べ物をつぶせるようになる
- 離乳食の固さは、指でつまんで押しつぶす時に爪の色が変わらない程度
- お口の動きは口角左右対称。舌は前後に加えて上下にも動くようになる
離乳食後期(9~11カ月頃)
離乳食後期には、歯ぐきでつぶせる固さの食べ物なら、かじりとることができるようになってきます。
離乳食の固さは、大人が指でつまんで押しつぶす時に爪が変色する程度が最適だとか。
この頃のお口は、食べ物を舌先から左右に送りすりつぶして食べるため、左右非対称な動きができるように。
手づかみでかじりとって食べられるように、持ちやすいサイズの離乳食を用意してあげると良いですね。
離乳食後期のポイント
- 食べ物をかじりとることができるようになる
- 離乳食の固さは、指でつまんで押しつぶす時に爪が変色する程度
- お口の動きは左右非対称
感覚機能・口腔機能を高めるには
成長段階に適した離乳食の固さは赤ちゃんのお口の機能を高めます。
反対に、お口の機能の発達を待たずに段階に合わない食事を与えてしまうと、食事を丸呑みすることにつながってしまうそう。
また、赤ちゃんの感覚機能・口腔機能を高めるためにも、赤ちゃんの食べる様子をよく観察して、発達状態に合わせたベビー用品を選んであげることが大切とのこと。
赤ちゃんの食事シーンをよく観察することで、歯並びやあごの発達に影響を及ぼす悪い癖などを早期に見つけてあげられます。
・姿勢
・口唇閉鎖
・食具の使い方
・手と口の協調性
・咀嚼の様相
・食事時間
・むせの有無
など全身の動きも観察することも大切だとか。
赤ちゃんをよく見てあげることが大事なんですね。
リッチェル公式Youtubeチャンネルも要チェック
リッチェルの公式Youtubeチャンネルには、「飲むトレーニングの重要性」、「歯のケアの重要性」について、専門家をお招きした対談動画もあります。
・「飲む練習」は赤ちゃんの発達になぜ必要?
・赤ちゃんのお口の構造から見る、歯並びが悪くなるのを防ぐ方法は?
・飲むトレーニングのはじめ方と赤ちゃん目線でのコツとは?
・ストロー飲みが難しいときの練習方法は?
・歯のケアはいつから?どうやって始める?
・歯のケアに抵抗感のある赤ちゃんにお口を開けてもらうには?
・ステップ別の歯のケアの進め方と、歯ブラシの選び方は?
など気になる話題が満載ですので、ぜひご覧くださいね。
まとめ
ベビー用品は、赤ちゃんの様子を観察し、発達状態に合わせて与えることが大切とのこと。
ついつい気持ちが先行しがちですが、早すぎても良くないんですね。
赤ちゃんの噛む・食べる・飲み込むというはたらきは3歳頃までに作られるそう。
リッチェルには、赤ちゃんの発達状態に合わせて使用できるベビーマグ、歯ブラシ、ほ乳びんなど、歯科大学の先生、小児歯科の医師と一緒に共同開発した商品ラインナップが豊富に揃っています。
今後も医学的知見を取り入れた商品開発を進めていくそうなので、楽しみですね!